28才の初恋
「その、普段はクールな感じなんです。でも……たまに見せるオッチョコチョイな部分が……気になるというか」

 う、うーん。
 微妙に私に当てはまるような、違うような。
 前半は当てはまっているけど……後半も当てはまっているのだろうか?
 い、いや。きっと当てはまっているさ!
 未来は希望に満ちているんじゃない!?

 もう、ここは押しの一手で行くしかない!
 こうなれば、早々にこの店を出て、もっと良い雰囲気のお店に行って。
 そこで愛を語らうような感じに持ち込んでしまえば……案外行けそうな気がするぅー!

――あると思います!

 そうと決まれば、早速テーブルの上の酒と肴を片付けてしまおう。
 まだピッチャーが二つと肴が多数残っているが、これくらいの量ならば私にかかれば五分も持たない……って、あれ?
 
――大樹クン、やたらと飲むペースが上がってない?
< 321 / 518 >

この作品をシェア

pagetop