28才の初恋
 宴会場の使用時間が終わり、ようやく宴会は終了になった。

 小島は遂に一枚も着ているモノを脱ぐことなく野球拳大会を切り抜け、男子社員たちは翌年へのリベンジを誓っている。

 大樹クンは宴会終了と共に意識を取り戻した磯野に抱えられて自分の部屋に戻って行った。
 肩を貸されながらも、自力で立ち上がっていたし、水でも飲んで少しの間休めばすぐに回復しそうな様子で一安心である。

 出来れば……さっき私が飲ませて、色んなことを聞きだしたことが記憶に残ってなければ良いのだけど。

 先ほどのことを反省しながらも、とりあえず自分に都合の良いことを祈ってみる。

 ともあれ、大樹クンが私を避けている理由もハッキリとしたことだし。

 大樹クンの気持ちも何となくだけど分かったし――これからは、私が大樹クンに遠慮なく近付けば万事解決ということで。
 絶好調!と言って差し支えないのではないだろうか?
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