28才の初恋
――ま、まあ。まだ正式にお付き合いもしていないワケで。

 帰省するならご両親に紹介して!ということも言えず。
 泣く泣く大樹クンとの夏のバカンスを断念したわけである。

 まあ、私もここ二年ほど実家には帰っていないし、大樹クンを誘えないというならばさして夏の予定も無い。
 ならば、たまには帰省して家族に顔を見せてやるのも悪くはないだろう、などと考えているわけである。

 休みは一週間ほどあるが、きーちゃんは実家に連れて行けば良いだろうし。
 せっかくの休みだ、実家の方がのんびりと寛げる。
 それに、私の実家は京都にある。
 上手くいけば兵庫県に帰る大樹クンと地元でデートなんてことも……うふふふふ。

 アッチならデートスポットもばっちり知ってるし、ラブホ街だってドコのホテルが良いか分かってる!

……なんて、妄想をしていたら、部長に呼び出された。
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