28才の初恋
第8章『告白』

8-1

 社員旅行が終わってから、私の日常は好調そのものである。

 仕事も順調に進み、八月に入ってからの年末のお歳暮商戦に向けた準備だって順調に進んでいる。

 大樹クンとの関係も良好で、まだお付き合いには至ってないが、それでも二人で飲みに行ったり、一緒にランチをしに行ったりとお付き合い出来るまでもう一歩、という関係にまで進んでいる……と、思う。

 そんな絶好調の私、まさに向かうところ敵なしといったところだ。

 八月の初旬、後二日ほど働けば夏休みに入る、そんな日のこと。
 今年は久々に実家に帰るか……と、そんなことを考えていた。

 無論、言うまでもなく大樹クンを夏のバカンスにでも行かない?と軽く誘ってはみたのだが、彼も東京に出て来てから初の長期休暇ということで、実家がある兵庫県に帰省する、ということで私の目論見は儚くも撃沈したワケで。

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