28才の初恋

8-6

「驚きましたよ、いきなりこんなメールを送ってくるんだから」

 笑顔で大樹クンがそう言う。
 自分がやったことながら、どうして笑顔でそう言えるのだろう、と不思議な気持ちになる。

 だって、待ち合わせ場所も、時間さえも書いていなかったのだ。
 どうして、私を探そうなんて思うのだろうか?
 どうして、私を見つけることが出来るのだろうか?

――不思議で不思議で仕方なかった。

 しかし、どれだけ私が不思議がろうとも、大樹クンは現実にこの場に来て、私を見つけ出した。
 だが、嬉しい気持ちは暴走して、大樹クンにその奇跡の理由を尋ねさせた。

「ど、どうして? 梅田って、梅田しか書いてないのに。なんでココに私が居るって分かるの?」
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