28才の初恋
 そんな感じで、仕事の合間に『今日の晩御飯は何にしようかなー?』なんてことを考えるのが楽しくて仕方ない。

 肉じゃがにしようか、鳥の唐揚げにしようか?
 それともガツンと焼肉なんてのも良いなあ。

 晩酌用に冷奴も買っておいて――。

「……部長! 部長!!」

 私を呼ぶような声に、やっと現実に帰ってくる。声のする方に視線を向けると……そこには大樹クンが立っていた。

――そう!そうなのだ!!

 実は、大樹クンも私と同じ新会社にスカウトされていたのだよ!!

 お互いに、「新会社のことは内密に」という言いつけを守っていたので会社を辞める直前になってから初めてこの事実を知ることになってしまったのだが。

 おかげで職場でも、家でもずーっと大樹クンと一緒にいれるのだ!
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