気づけばキミと恋に落ちて
そこには、これから歌うのであろう、女性二人組が拓篤の前でキャッキャしながら、楽しそうに会話をしていた。


ほら、やっぱり。拓篤だって楽しそうにしてるじゃない。


わたしに気なんて、ないよ。


「気になるんだ?」
「は?べつに気になってなんかないよ」


なんで、やっさんニヤついてんの。


すごく楽しそうで腹立つんだけど。


そんなやっさんとカウンターへ行けば、拓篤がコチラに気付きニコリと笑顔でわたしたちを見た。


「岡崎、お客様ご案内して」
「はい」


すぐさま、拓篤が岡崎さんに指示をすると奥から出てきた岡崎さんが、二人の女性を案内しようとした。


「えぇっ…今日は拓篤さんじゃないんですかぁ?」
「うん、ごめんね。この方たち、ボクの知り合いなんだ」
「そっかぁ。なら、仕方ないねぇ」


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