気づけばキミと恋に落ちて
電話の相手が〝女性〟だったんだ…。


「え、と…。じゃあ、わたしこれで帰ります、ね」


これから女性のところに、行くんでしょ?


この後、どうするんだろうって少しでも期待した自分が恥ずかしいよ…。


「待てって。送るから」


拓篤がわたしの握ってた手を、ギュっとし〝行かせない〟というように強く握る。


「い、いいですってば。どこか行くんでしょ?その人、待たせるのはワルイし、わたしは子供じゃないので一人で帰れますから。だから、離してっ」


手をブンブン振っても、拓篤は離してくれない…。


「べつに、急ぎの用じゃねぇから。ほら、行くぞ」
「いいってば‼︎」


急ぎの用じゃないって…。ねぇ、どんな関係なの…?


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