鬼上司と私のヒミツの関係
「か、彼氏なんていません。それに、ぶ、部長と密室で二人きりなんて今にも鼻血が吹き出しそうです」
恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
はっ?
鼻血が吹き出すって……何だその表現。
やべぇ、笑える。
「ククッ、鼻血って……」
突然笑い出した俺をキョトン顔で見てる。
まるで珍しいものでも見てるかのように。
隣では「そんなに笑わなくてもいいのに。意地悪な部長……」なんて口を尖らしながらボソボソと呟いてる。
本人は気付いていないのか、全部口に出している。
「でも部長もあんな風に笑うんだ……。初めて見たなぁ」
聞こえない振りをして運転していたけど、たまらず言葉を発する。
「何だよ、俺が笑ったら変か?」
あまり仕事中は笑わない。
鬼部長と言われるぐらいだからな。
「えっ、どうしてってまさか聞こえてたんですか?あー、いえ……そんなことないです。笑ってる部長はすごく可愛かったって、あっ」
完全にパニックになってるのか焦って俺を見てまた手で口を塞ぎ俯いた。