鬼上司と私のヒミツの関係
全ての仕事を終えて会社を出た。
「あの……本当にいいんですか?」
さっきから不安そうな表情でチラチラと俺の顔を見ている。
「何が?」
「私なんかが部長の車の助手席なんて座ってしまって……彼女さんに怒られませんか?」
彼女……なるほど、そんなことを気にしてたのか。
森本は助手席は彼女の指定席とか思っているようだ。
彼女か、そんな存在はいつからいないんだろう?
仕事優先で気が付けば自然消滅してたからな。
「その心配はない。彼女なんてしばらくいないから」
「嘘っ」
大きな目をこれでもかってぐらい見開いて驚いてる。
この顔、何回見ただろう。
「嘘ってなんだよ。俺に彼女がいないのがそんなに驚くようなことか?」
「だって、部長はカッコいいですし仕事も出来る完璧な人だから……」
モゴモゴと言葉を濁す。
俺はそんな風に思われていたのか。
「そりゃ光栄だ。それより森本は大丈夫か?上司から誘われたとはいえ男と二人きりだぞ。彼氏に怒られるんじゃないのか」
意地悪くニヤリと笑ってみると、顔を赤くして、首を左右に激しく振った。