鬼上司と私のヒミツの関係
森本を家まで送ってやると言い、車を走らせていた。
時計を見ると21時過ぎ。
あまり遅くまで連れ回すことは出来ないなと思いながらも声を掛けてみた。
「今からちょっと寄りたいところがあるんだが、時間は大丈夫か?」
「はい、一人暮らしなので全然大丈夫です」
警戒心ゼロで呑気な返答をしてくる。
さっき飯を食ってから緊張感がすっかり抜けたみたいだ。
これが他の男と一緒の時もこんな感じなんだろうかと思うとなぜか腹立たしくなる。
俺のことはただの上司としか思っていないんだろう。
少しでもいいから男として意識してもらえたら、なんて考えが浮かんでくる。
ある決意を秘め、高台にある公園の駐車場に車をとめた。
ここは街の夜景が一望できる。
オレンジや緑、青といった様々な色彩が街を彩っている。
「うわっ、すっごい綺麗……」
森本は助手席からも見える景色に窓を開け、興奮気味に呟いた。
昔、家族と一緒に来たことがあり、子供ながらに感動したのを覚えてる。
森本が目を輝かせ、夜景を見ている姿に連れてきてよかったなと純粋に思った。