~Special Short Story~



初めて星村くんをちゃんと見た。


奥二重で左目の目尻には小さなほくろがあった。身長は私よりも高くて、黒色の短髪の髪の毛はワックスで立たせてた。強ばった表情をしていて声は低めだけど、怖くはない。


─────これも、あなた宛です。


ちゃんと話したのは初めてなのに、それに星村くんは高校生なのに……少しだけ、胸がキュンとした。


こういうシチュエーションが初めてだから、ときめいちゃってるだけなんだ。そう自分に言い聞かせながら、大学へと足を進めた。


「間違いじゃなかったんだね?」


「うん。でも今日のは趣味?てか自己紹介の続き?」


「そうみたい」


講義が始まるまでの休み時間、弥生と星村くんのことについて話している。弥生は手紙を見て呆れているけど、私は違う。


ちょっぴり、心が躍っているんだ。


「もしかしたら明日ももらえるんじゃない?」


「そんなまさか」


「明日は何だろ。俺の飼っている犬の名前は~とか?」


弥生の言葉に笑みがこぼれる私。


明日も星村くんと……話せるのかな?



< 106 / 152 >

この作品をシェア

pagetop