~Special Short Story~
「陽はあたしのこと、いつから好きだったの?」
そして俺と花音は、俺がジャンケンで任せられたゴミを、ゴミ捨て場に運んでいた。
「いつって……」
そんなの知らねーし。
「いつでもいいだろ」
「良くない!気になるのっ」
そう言われても、覚えてねーし。
「……昨日」
ありもしない言葉を花音へ返す。
「へっ?昨日!?」
案の定、素っ頓狂な声を出す花音。そんな彼女でさえも愛しくて、笑えてしまう。
「ちょっとー、陽!その笑いは何よ!」
「ごめ。おかしくて」
「もしかして、今の冗談だったの!?」
頷くと空いている花音の左手から、チョップをくらった。
「いってーな、おい」
「人のことをバカにしたお返し!安いもんよっ」
「バカにって……」
そんなつもりねーし。本当に覚えてなかっただけで、気づいたら好きになってただけで。
そんなこと言っても、花音こそ笑うんだろうけどさ。