水に消えた涙 ~貴方がいてくれたから~
「僕はやっぱりジャムパン〜♪」

裕貴はジャムパンを3つむんずと掴んだ。

「裕貴、3つも食べるの?」

「だって、これうまいじゃん!」

ジャムパンを掲げ、キラキラした目をする裕貴。裕貴はジャムパンに目がなかった。

「ホントにジャムパン好きだねぇ〜。私は‥‥メロンパンにしよっと」

メロンパンを手に取る。

「おばさん これください」

お金を払って、私達は屋上へ向かった。

「ん〜 いい天気だねぇ」
裕貴はのほほんと笑った。

(この笑顔に、私は惚れたんだよなぁ・・・)
裕貴の笑顔は、見ただけで嫌な事も、辛いことも、全て忘れられる気がした。

「あ!そうだ!今度転校生来るの知ってる?」
「え?そうなの?」
初耳だ。私が先生の話を聞いていなかっただけか。
「噂だとすっごい美人らしいよ!」
「ゆーうき?今なんて?」
「ちょ!誤解しないで!僕は瑞希だけだよ!」
アタフタする裕貴。可愛い・・・
「じょーだんだよ冗談!私は裕貴を信じてるもん」
「うん!僕もだからね!」
そういう裕貴は、私の口元についているパンくずをペロッと舐めてとってくれた。
「えへへ///ありがとうっ裕貴♪」
幸せだなぁ…こんな日がずっと続けばいいのに…

そして、この願いは叶うことなく最悪の日々へと変わっていく。
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