生徒だけど寮母やります!⁑
帽子を抑えながら小刻みに走る麻依
パタパタとサンダルを鳴らし、ひらひら舞うスカートが可愛らしい
「ねぇ日向くんっ。すごい久しぶりだし、この後もう少しお話しできないかな?」
彼女のその質問に、日向は「あー」と考えた
断るのも悪いしけど
あいつらが待ってるからな.....
じゃああいつらの所に小椋連れてって、少しくらいなら......
まぁ小椋が良ければの話になっちゃうけど
そこまで考えた日向は、視界の隅の木の裏になにやらコソコソと動くものがあることに気がついた
「ん?あ.....お前ら出てこいよ」
苦笑いしながら市河がそう言うと、コソコソと動くものはピタッと止まり
何かを諦めたように3人の女子と男子が1人、こちらへ向かって歩いてきた
「ひっさしぶりー、ひーなたっ」
「よっ、ヒナ」
「ばれちゃったかぁ」
「久しぶりね」
市河の予想どおり、彼らは麻依と仲の良い中学時代のクラスメイトだった
「分かりやすいんだよお前ら」
よっ、と右手を上げながら笑う市河に彼らはブーブーと文句を言った
「ちょっとは気づかないフリとか出来ないのかねー??」
「ま、変わりないことがよく分かったわ」