生徒だけど寮母やります!⁑



「ライ......」


次の瞬間




ライが私を抱き寄せた


「ひゃ」


ライって、こんなことするキャラじゃ

ないよね??


私の口元が、ライの肩に当たって
柔らかいカーディガンの感触がくすぐったくて


どうしたらいいのか何も動けずにいると、ライが肩で息を吸ってから話し出した


「ずっと、こんな高校、誰が入るかよって思ってた」


「うん」


「高校でも、どうせ目障りだと誰かから後ろ指さされるなら

望み通り消えて、どこか遠くへ行こうかなんて

夢ごと考えたりもした」


「それでもライは、この高校に来てくれたんだね」


「高校に入る勇気があったんじゃねぇよ。1人で逃げる勇気がなかった」



< 37 / 388 >

この作品をシェア

pagetop