生徒だけど寮母やります!⁑


「や、やっぱりおろして......?」


「辛いんなら素直に休んでなって。俺が景ちゃんに無理して欲しくないだけ」


ううん......


あまり納得いかないし恥ずかしいけれど、私は抵抗するのをやめる



運よく人目につかずに保険室までたどり着くと、保健室の先生が駆け寄ってきた


「あら、どうしたの?」


「変化した際に身体に負荷がかかったようです」


結斗が私をゆっくりおろしながら言った



「まあ......大丈夫?歩ける?......ゆっくり、そう、この椅子に座って」


「......ありがとうございます」



指示に従って椅子に座った私の前に、先生が座る


美人で優しそうな先生だった



多分年齢はママと変わらないくらいなのに、とても綺麗な人......


はぁ......はぁはぁ


「動悸が激しいみたいね、........そういう体質 ?なんでまた変化しちゃったのかしら」


「......えっと......」


それはまだ結斗にすら言っていないんだよね......


横で結斗がこちらを見る



「無理に言わなくていいのよ、大丈夫」


「すみません......」


私は、優しく微笑む先生に、軽く頭を下げる



「じゃあ学年、クラス、お名前は?」


先生が名簿とペンを手に取りながら私に訊いた



それに私は、小さい声で答える




「1年6組笠上景です」




「............そっか、笠上景さん」




「............はい」




「笠上美音さんの、妹さんね」




横で結斗が、目を見開いた



「......そうです」








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