生徒だけど寮母やります!⁑


私とライは顔を見合わせた


「ど、どうすんの」


「何がだよ」


「こっち来るってば!」


「保健室にいるだけじゃねぇか」


その通りです!!


でもアナタといるところは誰かに見られたくないんです......!!!


とは言えず......


複数の足音はこちらに近づいてくる


すると、声が聞こえた



「ああん、痛い......。何で誰も絆創膏持ってないの?女子力ないわね」


「あはは、自分だって持ってないんじゃーん」


「たまたまストックが切れてたの!」


「あは、はいはい」



ま、まずい......

この声はさっきも聞いた......


波屋有姫たち............!!!


私の顔が青くなってるのに気づいたライは、ベッドの周りをカーテンで囲う


「ありがと」


景が小さい声でライに言うと

ライは困ったようにこちらを見て


そして、私のいるベッドに座った



「てか、先生いないんじゃん」


「本当だぁー」


「絆創膏勝手にとってっていいかな」


「てかどこにあんの」


ライも、この声が波屋有姫たちだと気づいたようだ


まぁ、ある意味いつも一緒にいるもんね



「あ、ここに救急セットあるよ。中に入ってるんじゃないかな」


「じゃあそれを拝借するわ。ああ、足がヒリヒリする」


「授業ほっぽって保健室くればよかったのに」


「授業はちゃんと受けたいの」



波屋有姫は結構、優等生なのかもしれない


まぁ、授業をほっぽって結斗に保健室に連れて来られていたなんてところを見られたら


それこそ絶対絶命だったけれど



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