交換彼氏??


私の知る限り婚約者がいたのは
その時だけ。


またあのようなことが起こるのを
懸念して、だ。



だけど絶対に私の婚約者を決めるのは
両親や祖父母。

私が誰を好きだと言っても、
彼らには届かない。


今付き合っている彼は、
いつかは別れてしまう人だ。

もし私に婚約者が出来た時、錦は真っ先に彼を潰しにかかるだろう。


私にそれを止める力なんて到底なくて。


無力な自分を呪うことだけが、
私に残された唯一の懺悔。




そうだ、あの時もそうだった。



私に出来た、初めての友達。


私は当時、
家柄とかそんなのわからなくて。


子供達みんな、そうだったと思う。


私は幼稚園に入ってすぐ、
ある子と仲良くなった。

その子は私と同じ学校に通っていたけど
所謂一般家庭。


だけど何も知らない私たちは共に笑い、
信頼し合っていた。

二人だけの秘密はたくさんあって、
二人ともそれを誰かに言うことは
絶対になかった。


"親友"

そう呼ぶ方がその関係には自然で。


誰より好きで、誰より大切だった。


私のことを一番に考えて、
いつも笑わせてくれて。

私が落ち込んでいる時は面白いことばかりしてくれて励ましてくれた。

またその逆もあって。

私がその子を励ますこともあった。









だけどある日、錦に知られてしまった。



錦の後継者になるかもしれない人が、
いや、錦が一般家庭の人と関るなんて
どう利用されるかわからない。

そう言って随分怒られた。



だけど私はその子のことが大好きで。


何を言われてもその子と離れる気なんて
全くなかった。





でも錦の方が何枚も上手で。


次の日幼稚園へ行くと、
その子の姿はなかった。




何日経っても、
何週間経っても、
何ヶ月経っても、
その子は一度も私の前に現れなかった。







それからだ。


私が誰とも関わりを持とうとせず、
彼氏も作らず、
他人との壁を作るようになったのは。


大切な人を作るのが怖くなった。


また、傷つけてしまいそうで。

失ってしまいそうで。

辛い思いをしそうで。



期待するのをやめれば、
それに心を揺さぶられることはない。


だから私は、
他人に期待するのを、
他人に頼るのを、
一切しなくなってしまった。


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