calling
003
思わず…何でココに居るのか
分からなくなりそうな時に
聞こえた声が、俊輔さんだった。

「あ…。」

チラリと俊輔さんの横を観ると
同僚の方と思われる男性が居て
思わず会釈をしてしまった。

同僚の男性も会釈をしてくれて…
二人は手を振り、合図を送って
俊輔さんは私のところへ
静かに向かって来てくれた。

「どうした?」

俊輔さんは驚くわけでもなく…
優しい口調だったから
逢えたことに見惚れてしまった。

「ごめんなさい。
…逢えるかなぁって思ったら
逢えちゃいました…。」

「俺に?」

私は軽く頷いた。
もしかしたら頬は赤かったかも。

そっと、先ほど別れた
同僚の男性が観えないことを
確認するように視線を離してから

また私を観てくれた。
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