calling
週末のオフィス街は
なんだか騒がしい気がする。

仕事の終わったひとと
これからまだ少しあるひと。

私のように…
好きなひとと逢うひと。

あまりにも周りを観ていたから
強い風にも気付かなかった。
ビルの間から吹く風は強かった。

少し長めの髪が乱れて
その髪を整えてる時…

とても、綺麗な、女性が…
俊輔さんの会社のあるビルに
颯爽と歩いて行った。

言葉通り、吸い込まれてくように
背すじを伸ばした綺麗な女性が
吸い込まれて行く。

パンツスーツを着こなして…
大きめのカバンを細い腕で持って
髪をアップにして…
素敵な女性だった。

…そういえば
俊輔さんは恋人は居るのかな。

居たとしたら
あんな素敵な女性なのかなぁ
などとぼんやり観ていた。
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