calling
「そろそろ帰ろうか。送るよ。」

そう言って俊輔さんは
スマートに会計を済ませてくれた。

お店のなかの温かい雰囲気と
お店を出た静かな外の空気の
優しい変化にほっとした。

お店を出て細い路地を、二人で
ゆっくり駅に向かって歩いた。

お酒を飲むお店が並んでいて、
どこも少しだけ賑やかだった。

横に並んだ背の高い俊輔さんを
感じながら…

俊輔さんに恋人が居たら
次、逢う約束はできないのかなぁ
と、考えながら歩いた。

急にまた逢いに行ったり…
ばったり公園で逢ったり
食事したり話したり笑ったり
もう、ダメなのかなぁ。

「あの2時間…考えてたんだ。」

…思わず手を、繋ぎたくなる。

「こんなこと亜妃ちゃんに
言うの…おかしいんだけど…

恋人がずっと、浮気してたんだ。」
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