calling
冷たい風も気にならない。
けど、俊輔さんの表情が気になる。

「ちょっと…逢いたくなって。」

力なく話す俊輔さんは…
放っておいたら
泣いてしまうんじゃないかと
思うくらいの切ない表情だった。

手を握ることも、抱きしめるのも
どちらも変だと思ったから
ただ見つめていた。

きっと俊輔さんが逢いたいのは
私じゃなく、誰でも良かったと
気付いた。

「私でよかったらいつでも。」

なるべく自然に笑顔を出した。
ただ誰かに逢いたくなって
連絡が繋がったのが私で…

俊輔さんは、本当は
一番、恋人に逢いたいんだろうと
気付いてしまった。

なんとなく、そんな感じ…。

恋人と何かあったのだろうか。

こんな俊輔さんが落ち込むくらい
泣いてしまいそうな表情で
誰かに逢いたくなるほど。
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