僕らのはなし。①
そして翌日…
「行ってきまーす。」
「行ってらっしゃい。」
いつも通りママからお弁当を受け取って、自転車で学校に向かった。
学園に近づくとかなりの車が停まっていて、そこから皆運転手さんに見送られて登校して行く。
自転車で通りすぎながらチラッと目にしたら後は気にせずに私も行った。
誰も自転車通学なんてしないこの学園には自転車置き場なんて必要ないので存在しない。
だから、教員専用の駐車場の端に今日も停めさせてもらって中に入った。
そこから何か変な空気だった。
生徒たちが嘲笑しながら見てきたり、コソコソ私を見ながら話してたり。
でも、昨日の事が知れ渡ってそういう状況なんだろうくらいにしか思ってなかった。
「あっ、は」
玄関のところで、花を見かけ目が合ったので声をかけようと思ったけど、直ぐに逸らされて行ってしまった。
「どうしたんだろう??」
そう呟きながら、トボトボと教室に向かった。
「えっ…」
私は教室前に辿り着き、入り口で自分の席を目にすると足を止めた。
私の机の上に、菊の花が活けてある花瓶が置かれていたのだ。
「おい、来たぞー!!」
誰かがそう言ったのを合図に後ろから誰かに押された。
危うく転けそうになったけど、手を怪我するわけにはいかないので、何とか脚で踏ん張った。
それからも、いろんな人にいろんな方向に押されて、誰がやってるのか確認する暇もなかった。
「ちょっと何すんのよ!!
やめてよ。」
そう言ってもやめる気配はない。
そのうち、もっと悪化するのが予測されたので私は一瞬の間に鞄を振り回しながら、教室から飛び出した。
「逃げたぞ!!」
「追え!!」
そんな声と共にたくさんの生徒が追い掛けてくる。
しかもだんだん増えてるし。
私は必死に走った。
何とか隠れたり、走り回って人気のない屋上に出た。
「もう!何なの!!
大勢で寄ってたかって。
てか、自分で来なさいよ。
人にやらせるなんて、ほんと最低!!
伊崎のクソヤロー!!!!」
私は少し回りを見回して人が居ない事を確認すると、ガンガン柵を蹴りながらそう叫んだ。
本当は手でも殴りたいくらいだけど、手は大事だからそれは堪えた。
「フワァ~」
ふと、入り口の裏からアクビする声が聞こえ振り返ると…寝てたのかSJの一人結城 時雨が眠そうに起き上がった。