SweetS Time ~君はマシュマロ~
「たとえ理子の見た目が変わったところで、俺の気持ちは変わらないから」

「一樹……」

「全部まとめて愛する自信あるんだけど?」

にっと白い歯を見せて笑う、やんちゃな笑顔に、理子の胸の奥がじんわりと暖かくなる。

「おいで」

もう一度誘われると、理子は心を決めた。
あぐらを組んで待つ一樹の脚の上にゆっくりとした動作で近づく。それでも向き合うのは恥ずかしくて、一樹に背中を向けて座った。
緊張しているのか、理子の体が縮こまって堅いのが触れている部分からも伝わってくる。
一樹は腕を回して後ろから抱きしめた。胸の下、みぞおち辺りに一樹の腕が優しく絡む。理子の肩に一樹の顎が乗せられた。

「俺にはなんにも変わらない。理子は理子だよ」

密着した体から響いてくる言葉に、理子は優しく包まれる。

わたしはわたし。

緊張という名の呪縛が解けた気がした。

「食べよ食べよ。俺ももっと食べたい」

脚の上に理子を座らせたまま、一樹は手を伸ばして串を取る。柔らかなマシュマロは弾力があって少しばかりの格闘の末、串に刺すことに成功。
フォンデュ鍋のチョコレートに浸し……。
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