LoVendoЯ~あの日の約束~

消えない想い

:明日香side:






「..っく..ひっく..」


どれくらいの時間が経ったんだろう。



蓮の冷たい言葉が
蓮の冷たい視線が
あんなにも痛くて苦しいなんて..。



砂を両手ですくっても
どんどんこぼれ落ちていく。




あたし達の思い出もそんなものなのかな。





「〜♪」


ふいにスマホが鳴った。





画面を見ると『唯』の文字が。



通話ボタンを押すと



『もしもし、明日香?』


唯...。

あたしね、蓮を見つけたよ。

見つけたんだよ...


伝えたいことは、たくさんあるのに
言葉が出てこない。



『明日香?』


電話の向こうで唯が不安そうに
あたしの名前を呼んだ。



「...唯...っく」



『明日香!?泣いてるの?』


「蓮が...蓮が...っ」


『明日香、落ち着いて!
今どこにいるの?』




あたしは唯に今いる場所を
教えて電話を切った。

















< 20 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop