LoVendoЯ~あの日の約束~





「明日香..っ!」


10分もしないうちに唯が来てくれた。


「唯...」

唯、ジャージだ...。
サンダルだし、髪の毛ボサボサだし..。




息まで切らして。



ー··急いで来てくれたんだ







「なにがあったの?」




あたしは倉持くんが蓮だってことを
説明した。



「それ、ホントなの?」


「ホントだよ。倉持くんは
蓮だよ...。」



止まりかけていたはずの涙が
また溢れてきた。


「あたし、どーしたらいいかな..」



あたしは今でも蓮が好きで
あの日の約束も覚えてて


でも、蓮はそうじゃない。





あたしのことなんて何とも思ってない。



「10年間も信じて待ってた
あたしが馬鹿だったのかな...」



小さい頃の約束を馬鹿みたいに
信じてたあたし。




想い続けても迷惑なら...


「忘れたほうがいいよね」



あたしがそう言うと


「ッ!?」


唯に抱きしめられた。


「唯...どうしたの?」


「明日香、辛かったよね。
でもね10年も待ったんでしょ?
そんなに好きなら簡単に
忘れられないよ。」


無理だよ..忘れたくない。




「忘れられないなら無理に
忘れなくてもいいじゃん。
蓮くんだって何か事情が
あるんじゃない?」



「何かあったのかな、とは思う」

でも、聞いちゃダメな気がしたの。



蓮が離れていきそうで。

































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