詐欺師の恋
階段を上りきった所にあったドアを、ケイが開けてみれば、そこは屋上だった。



『…あ、はい』




とりあえず、返事だけして、外に出る。



『じゃ、俺下行ってくるから、くれぐれも顔出したりして、客に見つからないようにねー。』




ケイは軽い調子でばいばーい、と手を振ると、ドアから離れた。




ガチャン、とドアの閉まった音がした。



でも、私は振り返らずに、空を見上げた。




夜が、明けている。



薄青い空が、広がっている。


今日は、良い天気になりそうだ。




くどいようだけど、中堀さんの名前を呼べて、良かったな、と思った。




にしたって。




『………寒い…』






なんで、避難場所が屋上なの!?


スタッフルームじゃ、駄目なの?!





それに、さっきの、メリッサとケイの慣れてる感じ。



どうせ、零絡みでしょって言葉。




え。


ちょっと待って。



もしかして。



こういうことって、よくあるの?!


そうなの?!






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