詐欺師の恋
メッセージ
よく、思い出せないんだけど。



最後の視線は、貴方と、交わっていたかなぁ。




私の目は、確かに貴方を捉えていたのだけれど。




愛しい、金色の髪。



少し遠すぎて、表情までは見えなかったような気がする。




それでも十分過ぎるほどに、私の胸は、ドキドキしてた。




あの、長い階段を降りれば、貴方に会える。



そうしたら、長い間空いた時間も縮まって。




そう、まるでお伽話に出てくる主人公みたいに。





再び、出逢う。



そうなると、確信してた。






だから。




お願いだから。





目を覚ましたら、昨日の朝とかに戻っていて。




全部、夢だった、なんてことにはならないで。







百歩譲って、もしも、夢なのだとしたら。



いっそ、このまま。



目を覚まさなくて、良い。




夢の世界で生きていかせて。




そうして。



どうか。




夢の続きを見させて。



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