海の花は雪・2
ハルと山形さんは、そんな話をしながら先生が開いてくれた扉の中に入って行った。

「では、お先に…」

続いて高田さんが入って行くと、先生がニッコリと笑って自分を見た。

「さぁ、深谷君もどうぞ〜」

「…先生は初めから分かっていたんですか?ここに国宝を移動していた事…」

「まぁそうですね〜指示を出した張本人ですからね〜」

「人が悪い…」

「ふふふ…あつかいが面倒な代物ですからね〜」

「確かに…」

「正直に言いますと、私が死んだ後、イースやあなたが国宝をどうあつかったか、分かりませんでしたからね〜?」

「…」

そう言われれば、自分もそこまでは思い出していない…

減っているという事は、消費したのは確かだけど…

「さぁ、帰りましょうか」

「はい…」

先生に背中を押されながら、光の扉の中に入って行った。
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