カレとカノジョの関係。
遊園地までは電車で二駅。
ボックス席に、あたしと神谷くん、一誠と蘭子ちゃんで、隣り合うようにして座る。
「今日のカッコ、可愛いね」
「えぇ!?」
すると突然、神谷くんに褒められて思い切り驚いてしまった。
だ、だって男子からそんなこと言われるの初めてだ。
「制服じゃないのって、新鮮。似合ってるよ」
「あ、ありがとう…」
といっても、今日は動きやすさ重視でスキニーパンツにスニーカー、白のカットソーという物凄くシンプルな格好。
…対する蘭子ちゃんは、花柄のショートパンツに、襟元にビジューがついた黒いシャツ。
断然蘭子ちゃんの方が女の子らしくて、可愛い。
髪の毛だってしっかり編み込んでアレンジされていて、ただおろしているだけのあたしとは大違い…。
「はぁ…」
見せつけられた女子力の低さに思わずため息をつくと
「おいため息つくな、俺の幸せが逃げる」
正面に座っていた一誠に軽く足を蹴られた。
「はい?何で一誠の幸せが逃げるワケ?」
「目の前でため息つかれるとコッチまで落ち込むんだよ」
「ため息くらい自由につかせてよね。こっちにも色々あんの」
「あっそぉ、色々って…「湊くん!」
その時蘭子ちゃんが、カバンの中から取り出したパンフレットを一誠の前に広げた。
「どれから乗る?色々あるよ~♪」
「あー、そうだな…」
一つのパンフレットを覗き込んで、話し込み始める二人…。