sEcrEt lovEr
「騙すようなことしてごめんね…」

泣きそうになるのを必死に堪える。

でもきっと彼は気がついている、昔からあたしを見ていてくれた人だから。

「絹香を支えたかったんだ。だからお前の“思い出の彼”が俺だったらて何度も思ったよ」

「いっぱい支えてくれて、力になってくれてありがとう。だけど、やっぱり」

「俺じゃ頼りないか?」

そんなはずがない。だけど…

「言ったじゃない?あたしも少しは強くなったんだよ」

涙をこらえて笑って見せる。

ごめんね、だけどこれがせめてものプライドだから…!
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