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「熱くなるなって。第一、俺は親どおしの約束なんて気にしてねーよ」

まるで見せつけるかのように頭を撫でてくる貴の手を振り払う。

「当たり前でしょ!あんな結婚の約束なんて無効に決まっ… !!」

余計なことを口走っていたことに気がついた時には もう遅かった。

…はめられた。

「まぁ、そういうわけだから こいつに手出してる奴は男女問わず闇討ちっつーことで」

学内一のイケメンのどす黒い笑顔。

さっきまで威勢の良かった女の子達も思わず固まってしまう。

「終わったら正門な」

振り返った彼は面倒くさそうな表情に戻り、肩に掛けていたタオルを放り投げる。

「はい…」

すっかり主従関係が成り立ってしまった。
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