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必死にまくし立てる悠耶に違和感を感じる。

「…好きなんだね?」

真っ赤に染まった顔が彼女の答えだった。



一方で私は数日後(通院はしなきゃいけないけれど)とりあえずの退院が決まった。

しかし、それが意味するところは…。

私は悠耶と反対で感情のまま動いてしまうタイプ。

退院前日の夜、ついに自分の思いを打ち明けた。

長く重い沈黙を破ったのは彼の方だった。

「織依ちゃんは… 男見る目がないかもね」

「…!!」

やっぱり患者は患者。それ以上でもそれ以下でもない。

恋愛の対象にならないことも禁止されていることも知っていたし、覚悟もしていたのに…

「休みも不定休だし、何かあってもすぐ駆けつけてあげられない。

君が思っているような恋愛はできないよ。 …それでもいいの?」

予想外の返事だった。

「…うん。先生がいいの」

彼の白衣にふわっと包まれる。

病院独特の薬の匂い。

だけど、白衣越しに感じる彼の温かい体温が幸せで満たしてくれる。

「本当、手間がかかる子だね…」
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