sEcrEt lovEr
ソファーから立ち上がろうとすると、激しい目眩に襲われる。

「あぶねっ」

貴が咄嗟に支えてくれる。

「あの人ならすぐ帰ってもらうから、まだ横になってていいよ」

甲ちゃんもそう言ってくれるけど、きっとこういう時は家族水入らずで話した方がいいよね?

「ううん、部屋で寝てる…」

「何かあったらすぐ言ってね」

心配そうな顔の甲ちゃんに見送られて、リビングを出ようとすると

「Ken, your girlfriend?」

背中越しにパパさんが何か呟く …“ケン”て誰?

「兄貴の向こうの名前が“ケヴィン”て言うんだ。だからケン」

不思議そうな顔をしてたあたしに気がつき、貴がこっそり耳打ちする。

「ガールフレンドどころか、将来の娘なんだから!」

悠耶さん、話が大きく飛躍しています。

「It mean she will be my」
(つまり彼女は僕の)

「ならねーよ」

貴から鋭い突っ込みが飛ぶ。

やっぱり溝は埋められないのかな…
< 73 / 233 >

この作品をシェア

pagetop