奥様のお仕事
「お熱いな~~新婚さんは」

伸二郎がちゃかした。


「お熱いよ 待って待ってやっと手に入れた
大切な奥さんだからな」

嘘でも嬉しいよ・・・・・
この緊張感の中からやっと解放された。
私の強い味方が 戻ってきたから 安心感で涙が出た。


「鈴木さんに聞いたよ
これ マリンが作ったんだって」


「うん」


「すごいじゃん デパートの高級おせちも負けちゃうな」


私はグラスにビールを注いだ。


「じゃあ 会長 おばあさま 社長 おかあさん
今年も一年大変お世話になりました」


みんなが慌ててグラスを持った。


「私も素晴らしい伴侶とともに来年も
頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします」


そう言うと乾杯を始めた。


「私たちは認めてないぞ」
父親がすかさず言った。


「認めてもらえますよ マリンは最高の妻ですから」

仕事のシナリオでも
心に浸みて幸せな気持ちになった。


チーム長谷に打ち勝つ力が湧いてきた。


「今夜はそう言う話はやめましょう
せっかくこんな美味い料理を目にして まずくなりますから」


すごい勢いで食べ始める。

「マリンの料理が食べたくて 我慢してきたんだぞ」

幸せ・・・・浩一郎と新しい年を迎えられるんだ・・・・。
< 156 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop