奥様のお仕事
その夜 そうそうにベットでふて寝していた私に
話し声が聞こえて目が覚めた。

浩一郎の声
 

帰ってきた!!!起き上がったけどその会話が
なぜか胸騒ぎを覚えて またベットに横になる。


押えているような小さな声
私に聞こえないように 気をつかっているのか
それとも聞かれたくないのか・・・・・

「泣かないで………
どうしてあげることも俺にはできないけど………
なぐさめることも………」


いたいっ・・・・・
胸が締め付けられるようだった。


「ごめん………力になれなくて………
五月さんを受け止める器は………俺にはないよ………」


しばらく無言になって
私の方が息が荒くなって呼吸が苦しくなるほどだった。


何かを壁にぶつける音がした。


「ちくしょう・・・・・・情けない・・・・・」


浩一郎の声が・・・・・・
震えている・・・・・・・



五月さんと何かあったと直感した。


伸二郎が言っていた。
二人は昔 男女の関係で 本気だったって・・・・・・



浩一郎の押しつぶすような声が 私を不安に突き落とす。
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