奥様のお仕事
「街から二時間もかからないところに
こんな素晴らしいところがあるのね」


「雪見風呂が最高だよ
だけど秋の紅葉も 新緑の温泉も 四季全部楽しめる」


「すごいね~」


「食事もすごいぞ」


「期待しちゃう」
テーブルに上品におかれていた お茶菓子に舌鼓


「美味しい~~~!!」


浩一郎はニッコリ微笑んで私を見てる。



ドキン


そんな顔して私を見ないで・・・・・・
優しい顔で見られたら


私のこと 少しは好きなのかなとか 期待しちゃうから



「さ~~休むぞ~~~~何も考えないで
ゆっくりするか」


これから先は誰も邪魔できない 二人だけの時間


「日が沈むまえに 展望露天風呂に入ってきなさい。
湖の風景が素晴らしいから」


「はい!!!」


自分の幼さにイヤになるけど ここはそんな気分を
一蹴できるほど素晴らしい温泉だった。


宿泊客がちらほらと 浴場にいる。
こうやってたくさんの人と お風呂に入るのは 初めてで
すごく緊張したけれど

露天風呂から湖を見下ろすと


「うわ~~~~!!!」と叫んでしまった。


先に入っていた 老婦人が

「素晴らしい風景ですよね 今年も夫婦で
見に来られてよかったなって思ったんですよ」

裸同士で 会話も自然に交せるような そんな風景が癒してくれた。
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