奥様のお仕事

長谷家の嫁になるということは　大変なこともある。
私の親族は一人もいないけど
浩一郎は会社や経済界に　結婚を報告しないといけない。


大きなホテルに　たくさんの人が集まって
お披露目のための　披露宴



嬉しいはずの　結婚式だけど
何が何だかわからなく　時間が過ぎて


私は同じような顔をした　おじさまたちに
笑顔で挨拶を続ける。


「マリンです。よろしくお願いいたします」


せっかくのウェディングドレスも　座ったかと思えば
お色直しとかで立たされて


怒涛の二時間


「可愛いお嫁さんですね」


「綺麗でうらやましいです」


「お似合いですね」


声をかけられても　自分の姿さえ
ゆっくり確認もできず



だけどね　だけど
浩一郎の　タキシード姿は最高に素敵



「お色直しです」

ホテルの人に促され　出たり入ったり


浩一郎に　綺麗かどうか　問う間もなく・・・・・・


「終わった～～～～」

ホテルの最上階のスウィートルームのベットに倒れ込んだ。


「もうダメ～～～～疲れた～～～～」


「お疲れ様　今日は大変だったね」


「何かよくわからないまま終わっちゃった」



浩一郎がニッコリ笑いながら　私のスーツを脱がし始めた。