奥様のお仕事
「ここがマリンの家だよ」


「この階には他の部屋はないんですか?」


「端にもう一つドアがあるけど とりあえず
弟の家ってとこかな」


「弟さんもこのマンションなんですか?」


また敵と顔を合わすのかと心配になった。


「弟はまだ住んでないんだ。
留学中だから・・・・そろそろ戻ってくるのかな
専用エレベーターだから 他の住人があがってくることも
乗り合わせることもない。
合せるとしたら弟がもどってきてからだと思うけど」


とりあえずホッと一安心・・・・・。


お金持ちって贅沢な暮らしをしているって本当だ。
一番聞きたかった質問をした。

「浩一郎の家に住むんですか?私・・・・・」



とりあえず第一の難関 浩一郎と呼び捨てにできた。
一回呼んだら とりあえずもう大丈夫


「そうだよ
一応 奥さんだからね」


それは予想内だった。

「鍵を開けて広がった世界は 昨日のホテルに
負けないくらいの世界だった」


「殺風景だろ?まだ揃ってなくて
キッチンなんかは 最低限のものしかないんだけど」


最低限がどんなものなのかよくわからない・・・・・。
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