奥様のお仕事
「遅刻か?」

祖父の怖い顔と同時に声がして飛び起きた。

浩一郎が立っていた。

「あ あれ・・・・もう出かけたんじゃなかったんですか?」


「出勤は八時 佐伯さんが迎えにくる」


慌ててベットの上に正座した。

「もう いらっしゃらなかったので・・・・」


「遅刻 給料から引くからな」


それはそれは冷たい顔で 背筋に汗が流れそう・・・・・


「すみません もう出かけたと思ってたので
もう少し寝てからと思って」


「スケジュールを確認しなかったのは私のミスだ。
今回は大目に見るが これからはペナルティーだ」


「ありがとうございます・・・・
今 何時ですか?食事間に合いますか?」


「間に合わない」


すごい冷たい言い方・・・・・・


「じゃあ 起こしてくれたらいいじゃないですか」


クローゼットに入って行った 浩一郎に思わず言ってやった。


「寝坊することだってありますから
起こしてください」


あまりの態度に腹が立ってきた。


ネクタイを締めながら 浩一郎が鬼のような顔をして
こっちへ戻ってきた。
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