《詩集》反証と感傷

ねぇ先生

『ねぇ先生』


教師の熱弁は
右から左へ
私の耳を筒抜ける

この鼓膜は通過点
響いてたって聞こえない

だって先生
貴方も何も聞こうとしない

ホントの本音は
顔を見たくもないんでしょ?


屋上から吊り下げられた
擦り切れそうな細い糸
その先にしがみつき
足掻いてるのはもう一人の私

ねぇ先生

助けてなんて言わないから
ほんの少しだけ聞いててよ

宙ぶらりんの私を縛するのは
愛でも情でも無く
醜い程の無意味な執着

いい加減やめたいよ


飛び交う刃に刻まれて
痛くて痛くて堪らない
我慢なんてもうしたくない

けれど引くに引けなくなってるの


ねぇ先生

私が教えて欲しいのは
歴史や文学や数学じゃない

助けてなんて言わないから
諦め方を教えて欲しい
冷たいその手で切って欲しい


煤けたグラウンドの中央で
喘ぐ自分を漠然と冷然と
ただただ見上げる

そんな不毛で中途半端な
この日々を
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