えりな END.
あの日から あたしと龍さんは 逢っていない。



病院への治療にも 龍さんは姿を見せず こうなってみて あたしは龍さんの連絡先すら知らない事に気づいた。



教え合いもしていない…。


もちろん勝手にカルテを見てなんてしたくないし ちゃんと交換をして連絡を取りたい。



あの日 話した会話は ただのその場限りの受取でお世辞だと思われたのか…



何かあったのだろうか?



もう1週間以上過ぎてしまっていて あたしの気持ちは暗くなっていた。



金曜日 明日からあたしは連休になる為 医院には来ない。



来週は 来てくれるだろうか…?



着替えを済ませ 午後からの診察も仕事の人達は お弁当を広げ食べはじめる横をあたしは お先に失礼します お疲れ様でした。と声をかけ裏口を出た。



いつも通り 今週は終わる。



気持ちのいいくらいカラッとした天気のもと



あたしは 家の方向へと歩き出した。



今日は さわさんと帰りデートしてくると言っていた太一お兄ちゃんの帰りは遅いと分かっていて スーパーに寄るコースへは行かず真っ直ぐ帰っていた。



「えりなちゃん」



ふと見ると 前方右横の曲がり角から龍さんが見えた。



「龍さん!」



あたしは突然で驚きの声をあげた。
< 23 / 33 >

この作品をシェア

pagetop