エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
そう、沃野はすごいのだ。

それは同じ大学だったリンダがよく知っている。大学でNo.1に厳しい教授が「He’s simply a genius! 彼は正に天才だ!」と興奮していた姿を見てびっくりしたものだ。

彼は何でもできる。

たぶん一番出来が悪いのは母国語である日本語じゃなかろうか、というほどなんでもできるのだ。

リンダはプリントを見て考え込む裕也を見ながら小さくため息をついた。

ボブはいったいなぜ急にヨクヤを送り込んできたのか―――私の部署を偵察するためではないのか。

インターナショナルの中でジャパンは毎年素晴らしい伸びを見せてきた。

しかし、リンダの部署はここの所あまり業績がよろしくない。

ボブには儲からない部署をのんびり見守る趣味はない。

そろそろ潮時ではないかと考え、沃野に確認させているのではないか。

つまり沃野はリンダを試しているのだ。

この案件をまるくおさめなければ、バイス・プレジデントになる前にチーム自体が消滅させられてしまうかもしれない。

そう考えてリンダの表情は険しくなった。
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