この気持ちをあなたに伝えたい
「何か言いたそうだな?」
「当たり前だ。美鈴といつから関係を?」
「ここで映画を観たとき」
前に母から借りたDVDを礼雅と二人で観たときだった。あのときは美鈴が偶然電話をしてきて、そのまま礼雅に携帯を取り上げられた。
連絡先を教え、最愛のいないところで二人は距離を縮めていた。
「今まで知らなかった」
「質問がなかった」
誰がそんな質問をするのか。そんな質問をする人がいたら、教えてほしい。
「質問なんてするか!」
「それよりも・・・・・・」
礼雅が音を立てることなく歩み寄るので、最愛は身構えた。
「俺を避けることはないんじゃないか?」
「私はずっとあの過去を話したくなかった。家族にさえも話したことがなかった・・・・・・」
礼雅に話したことは美鈴が知らないこともあるので、本当のことを知っているのは礼雅だけだった。
「話して嫌われると思ったから」
「俺は嫌ってなんかいない」
「そうだな。正直、驚いた」
自分の暗い過去の話を聞かせたことで、最愛の予想では礼雅が遠ざかるはずだった。
だけど、礼雅はそれでも最愛から離れようとはしない。
「私はこんなに醜いのに・・・・・・」
「どこが? どうしてそんなことを言うんだ?」
俯いていた最愛が顔を上げると、礼雅は本当にわからないようだった。
「お前はもっと堂々としていろ」
「無茶を言うな。高校生になったときにもう・・・・・・」
苛立ちを覚え、最愛は拳で壁を叩きつけた。
「何をしたって無意味なんだ」
「違う!」
「違わない!」
最愛は高校のどの場所へ行っても、多くの人達の視線が纏わりついていて、それらの視線は決して好意的なものではなかった。
どうすればいいのかわからず、ずっと頭を抱えていた。
「当たり前だ。美鈴といつから関係を?」
「ここで映画を観たとき」
前に母から借りたDVDを礼雅と二人で観たときだった。あのときは美鈴が偶然電話をしてきて、そのまま礼雅に携帯を取り上げられた。
連絡先を教え、最愛のいないところで二人は距離を縮めていた。
「今まで知らなかった」
「質問がなかった」
誰がそんな質問をするのか。そんな質問をする人がいたら、教えてほしい。
「質問なんてするか!」
「それよりも・・・・・・」
礼雅が音を立てることなく歩み寄るので、最愛は身構えた。
「俺を避けることはないんじゃないか?」
「私はずっとあの過去を話したくなかった。家族にさえも話したことがなかった・・・・・・」
礼雅に話したことは美鈴が知らないこともあるので、本当のことを知っているのは礼雅だけだった。
「話して嫌われると思ったから」
「俺は嫌ってなんかいない」
「そうだな。正直、驚いた」
自分の暗い過去の話を聞かせたことで、最愛の予想では礼雅が遠ざかるはずだった。
だけど、礼雅はそれでも最愛から離れようとはしない。
「私はこんなに醜いのに・・・・・・」
「どこが? どうしてそんなことを言うんだ?」
俯いていた最愛が顔を上げると、礼雅は本当にわからないようだった。
「お前はもっと堂々としていろ」
「無茶を言うな。高校生になったときにもう・・・・・・」
苛立ちを覚え、最愛は拳で壁を叩きつけた。
「何をしたって無意味なんだ」
「違う!」
「違わない!」
最愛は高校のどの場所へ行っても、多くの人達の視線が纏わりついていて、それらの視線は決して好意的なものではなかった。
どうすればいいのかわからず、ずっと頭を抱えていた。