この気持ちをあなたに伝えたい
「・・・・・・これからは大学でしか最愛を独占できないのか」
「どうしてだ？　深香・・・・・・」

　最愛にはその理由がわからない。それを深香がわかりやすく説明する。

「彼氏ができたのだから、そうなるでしょ？　礼雅さんは働いているから、一緒にいる時間だって限られる・・・・・・」
「礼雅が仕事をしている日だって、恋人になる前からしょっちゅう家に遊びに行っている」
「こはっ！」

　それを聞いた深香は飲んでいたアイスコーヒーを零した。

「何をしているんだ？　深香・・・・・・」

　初めて聞かされたようなリアクションをしないよう、最愛が呆れながら言った。

「いや、改めて聞くと・・・・・・すごいから・・・・・・」
「家に行ってキスもしていないのよね？」

　料理を食べていなくてラッキーだった。
　最愛が食べていたら、きっと喉に詰まらせて、呼吸困難になっているだろうから。

「実は、最愛ちゃんに・・・・・・」

　礼雅はその先を言わずに口を手で隠しながら、顔を横に向けた。その様子を見た二人は最愛にひたすら質問をした。

「何かしたの！？　最愛！」
「何をしたのよ！？　礼雅さんに！」

　もしかしてキスとかしたのではないか、なんて疑いまでかけられてしまった。

「最愛、正直に話して？　楽になるから・・・・・・」
「美鈴も深香もただ興味があるだけだろ？　何もしていない！　礼雅、変なことを言うな！」

　礼雅の演技を本気にした二人の誤解を解いている間、礼雅はニヤニヤと最愛を眺めていた。最愛が礼雅を睨みつけていると、注文していたものが運ばれて、その匂いに怒りが薄くなった。
　料理を食べながらいろいろな話をしていて、楽しい時間は本当に短く感じた。
　
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