俺は、危険な彼に恋をした。





───────***───────





『和樹さんどうしたんですか?』



『璃空に、大事な話しをと思って来たんだよ。』



『どうしたんですか?改まって。』



『ああ…俺の息子の事なんだがね。』



『息子?ああ一、確か洸って名前でしたっけ?まだ、会った事ないんで。』



『実は、その洸の事なんだがね。』



『……和樹さん?』



いつもの和樹さんとは、その時の和樹さんと全然違って見えた……。



深刻そうな気難しい和樹さんを見たのははじめてだと思った。



そんな表情、めったにしない和樹さんに俺は胸の内側で薄々嫌な予感を感じた。



『は?いま、何て言いました!?』



『もし…俺と美奈の身に何か有れば洸の事は全部、璃空に頼みたいんだ。』



『いくら和樹さんでも、冗談が過ぎますよ…そんな言い方は……。』



『すまないな……でもな璃空、お前しか頼めない事何だよ。だから、約束してくれないか?もし…もしも…何か有った時には、洸を璃空の元に。』



『本気ですか?』



『本気の頼み事をしてるつもりだ。』



『俺の元に洸を……ですか?』



『ああ…約束、してくれるか?』



『俺にしか頼めない約束なら、守ります。和樹さんの、頼みだから。』



『すまないな……頼んだよ。』



『はい!』



『じゃあ、俺は行くよ。』



和樹さんは、俺にしか頼めない約束だけを言い残した。



向けられた和樹さんの背を見て思った。



和樹さんの背がどことなく悲しげに見えた。



気付いたら俺は、立ち去る和樹さんを引き止めて居た。



『和樹さん!』



『ん?』



『あの……他に俺に言う事有りませんか!俺に出来る事が有れば俺!』



『……ありがとう璃空。俺の息子、洸を璃空に頼んだよ。それだけを、お願いしに来ただけだから。』



『和樹さん……』



『ありがとう、璃空。』



そう言って俺の目の前から立ち去る和樹さんの後ろ姿を見えなくなるまで俺は、その場から動く事なく眺めて居た。



そして……



俺の嫌な予感は、的中する。





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