異種キャラクターバトル
「よかったら、小説にしてくださいな、ぐれちゃん」

「まあ、気分が向いたら」

「またまたー、頭の中じゃ、もういくつかお話を考えてるくせにー」

「むゅ、なぜバレたのかしら」

「櫻さんが私を見るときと同じ目をしてるので!」

「……気をつけよう」

「ふぇっふぇっふぇ、油断大敵注意一秒、怪我一生ですぜぇ」

ウェイターさんが、コーヒーを運んできてくれました。なんでこんなところでウェイターなんてやってるんだかわからないくらいの、美男子外国人です。あ、もしかしてこの人が天使? あはは、まさかー。ドブネズミが六法を抱えているほうがまだ現実的ですよね。

二つのカップを置きながら、ウェイターさんが訊ねてきました。

「あの、今日は櫻さまは」

「あとから来るわ」「あとから来ますよ」

というか――

「「来なかったら引っ張ってきます」」

声がはもって、私とぐれちゃんはお互いの顔をまじまじ見つめました。

うへへ。

にへへ。

意地汚い笑み見え見え魂胆通じる思いが1つだけ。

「ね、むっちー」

「あいあい」

「今回の勝負だけどさ」

「私達二人の、勝ち」

「櫻さんの負け、ってことで」

「……」

「……」

にへへ。

うへへ。

「ウェイターさん! ここのデザート、メニューの上から下まで全部よろしくーっ!」
「お会計は全部、櫻 仁さんによろしくお願いしまーす♪」





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