異種キャラクターバトル
「ぁ……が……ゃ……シ……ぬ、い――ぁぁ、や――」

この恐怖は、味わったことがある。

死だ。

死だ。

死だ。

死だ。

死……ぬんだ。

「ぁぁあ、ぁあ、ぁああああ、ぃ、うやああああっ……」

呻くことで、回復はしない。『知識』は冷静に現実を見据え、対照的に、『本能』がそれを拒絶していた。

あてなどない。手を伸ばす。虚空に。そこに、私が赤の糧とできる生は、ない。

ところが、そこへ、足が踏み下ろされた。

赤いドレス。

見上げる。

貴婦人。碧眼。金髪。

剣を持つ、女。

私以外の、生。

砕けて、指も満足に生えていない腕を伸ばしても、伸ばしたが、伸ばすのに、届かない。

「ぁ……」




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