恋愛の神様
『アイツを飼い慣らせるのなんて私しかいないんだから。』
どこか誇らしげに傲慢に、胸を反らすタツキさん。
以前の根性を取り戻したみたいです。
果たし合いにでも行くみたいに勇ましく現場へと向かいました。
「ぴー」
リビングに戻ると、ソファーでのんびり寛いでいたハクトさんが当たり前みたいに手招きしました。
タツキさんが戦場へ出払っている間、この脱走ウサギを見守るのがワタクシの役目です。
さて、次はこの天然をどうしてやろうか、ですよ。
仁王立ちに見下ろすワタクシにハクトさんは小首を傾げましたが、ま、いいか、といわんばかりに気構えなく手を伸ばしてきました。
ワタクシはその手を無慈悲に叩き落としました。
「……いて……」
「これは罰です。沢山の人に迷惑を掛けてタツキさんの立場も悪くして、少しは反省してくださいね。」
ハクトさんは暫く叩かれた手を摩りながら怨みがましそうにワタクシを上目遣いで見詰めていましたが、こてっとソファーに倒れ丸くなりました。
不貞た!
不貞ウサギです!!
「ハクトさん。反省してください。」
「……ピーは人間になってから意地悪くなったよね…」
「意地悪でいってるんじゃないです。ハクトさんの為ですよ。」
瞼をこじ開けて赤い目が覗きます。
「…ピーまで、そんな他の人が言うみたいな事言わないでよ…」
ワタクシは眉を顰めました。
だって仕方ないじゃないですか。
成り行きでピーさんをしてますが、赤の他人なんですから。